サイト運用

あなたのメディアのUSPは何ですか

公開日:2018/04/06

太田 有哉 (オオタ ユウヤ)

株式会社ザンワーズ 代表取締役

太田 有哉 (オオタ ユウヤ)

メディア運営をしていく上で、現代人の忙しさを理解しておくことは非常に重要です。サイト訪問者に無駄な文字を読んで頂く時間はありません。

「情報過多」と言われて久しいですが、総務省の調査を確認すると、数値で情報過多の度合いが加速していることが見て取れます。

▼平成23年(2011年)「情報流通インデックス」調査結果(PDF:458KB)
http://www.soumu.go.jp/iicp/chousakenkyu/data/research/survey/telecom/2011/2011-r-01.pdf

専門用語を、ざっくりと平たい言い方に変えておくと、

流通情報量・・・世の中で発信されている情報量
消費情報量・・・意識して処理できている情報量

だいたいこのような意味です。

今から14年前の2004年(平成16年)がティッピングポイント(※)になっています。2001年〜2003年あたりでは、「流通情報量 ≒ 消費情報量」という均衡を保った状態でしたが、その年以降は、「流通情報量 > 消費情報量」という流れが加速しており、差は加速度的に開く一方です。ブログやSNSを通した個人による情報発信が非常に活発に行われていることも、一つの要因となっているでしょう。
※ティッピングポイント:小さな変化の積み重ねが突然劇的な変化をもたらす瞬間、転換点。

現代人は、非常に忙しくなっています。膨大な情報量の中を生きています。そのため「キュレーション型のメディア」が流行る潮流が生まれたのは必然と言えます。

さて、長々と前置きをしましたが、何をお伝えしたかったかと言うと、非常に膨大な情報提供を受けている検索エンジンユーザーに対して、誰でも作れるようなレベルの比較サイトを通して情報発信をしたところで、あまり相手にされないということです。

日本人は「和をもって尊しとなす」「村八分」という言葉に代表されるような民族性をもっているため、個性的であることが苦手な側面があります。隣の人を見て、似たような行動をとりたがるような傾向が強いためです。同調圧力に弱いと言い換えられるかもしれません。

しかし検索エンジンユーザーからも、そしてユーザーファーストを標榜するGoogleからも求められているWebメディアの要件は、「個性的であること(オリジナリティに富んでいること)」です。

あなたが育成するメディアの存在意義や存在価値は何か。誰のための、何のための情報発信なのか。そのあたりをメディア設計段階で詰めておくことは非常に重要です。

『あなたのメディアの存在意義は何ですか。』

この問いに、スラスラと答えられる状態にしておきたいものです。

存在意義という言葉がシックリこないかたは、存在意義を「USP」に置き換えてみてください。USPとは、英語のUnique Selling Proposition の頭文字を取ったマーケティング用語で、「独自の売り」のことです。

『あなたのメディアのUSPは何ですか。』

・特定のテーマを基軸とした網羅性の高さ
・専門的なテーマを深堀りした専門性の高さ
・最新情報をいち早く伝えるスピード感
・掲載商品点数が圧倒的に多いというカバー範囲
・メディア上で利便性の高いツールや機能を提供
・掲載情報の根拠を明確にし、事実性を厳守
etc.

様々なUSPがあり得ますし、USPは一つでなくても構いません。多い方が良いでしょう。

世の中の経済活動に携わるビジネスパーソンは、漏れなく「お金を稼ぐため」に仕事をしています。全ての経済活動は適正な利潤を得なければ成り立たたず、個人生活においても、余程の資産家でもない限り、収入を得なければ成り立ちません。経済活動の一側面として「お金を稼ぐ」のは至極当然で当たり前のことです。

ある一定の収益を上げることは自分たちが生きていく上で当然として、この「お金を稼ぐこと」をいったん脇に置いて考えて頂くと良いでしょう。脇に置いて頂かないと、「誰のために、何のために、メディアを通して情報発信をしているのか」を問う時に、『自分たちのため』という回答が出てきてしまい、論点がぼやけてしまいます。

これだけ情報過多になってくると、出所の不確かな情報や正確でない情報で溢れかえってしまっています。情報の玉石混合とでも言えば良いでしょうか。

例えば、情報過多を伝える一節として、

「現代人が1日に触れる情報量は、平安時代の一生分、江戸時代の1年分」

というフレーズがあります。

最初の段落でこのフレーズを使わなかったのは、根拠が不明瞭だったからです。事実なのかどうなのか、定かではないので、引用を避けました。

根拠の不明瞭な情報や、自分自身で確かめていない伝聞情報などは極力記載を避けることで、メディアに掲載している記事の「事実性」は担保されます。そういうことの積み重ねで、あなたのメディアはユーザーから信頼されるようになるでしょう。

またそれを何年も何年も継続していくことによって、信用残高のようなモノが蓄積されていきます。ビジネスにおいて非常に大切なことは、人間関係における大切なことと同じで、最初に追いかけるべきモノは「信用」や「信頼」ではないでしょうか。

信頼性については、以前の記事でもチラッと触れていますので、そちらも併せてお読み頂けると幸いです。

「Googleの「医療や健康に関連する検索結果の改善」を受けて考えたいこと」
https://www.accesstrade.ne.jp/study/affidai/detail/180


SEO対策の技術的な事柄を学び、追いかけるのは、後からいくらでも可能です。メディアの根本的な在り方、その根幹に何を置くのか、この機会に振り返ってみてはいかがでしょうか。

数値化できない抽象的な思考力が問われます。答えがあるような、ないような禅問答に似た世界です。あなたの正しさは、他の人の正しさとは限りません。それでも恐れずにあなたの大義名分を掲げてみてください。

これだけは確実に言えます。貢献できたユーザーの数が多ければ多いほど、貢献できた度合いが大きければ大きいほどに、収益として跳ね返ってくるのは言うまでもありません。収益額の大きさは、言わば「お役立ち料」だからです。

USPの明確な素敵なメディア育成をがんばりたいですね。
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太田 有哉 (オオタ ユウヤ)

株式会社ザンワーズ 代表取締役

太田 有哉 (オオタ ユウヤ)

メディア事業を始めとして、派生するビジネス、中古ドメイン事業とメディア支援事業も営む。火山灰販売事業も運営。

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