アフィリエイト運用

<アフィリエイトと法律3>景品表示法を知ろう!

公開日:2021/08/26

紺野リサ

株式会社インタースペース

紺野リサ

アフィリエイターのみなさんに知っておいてほしい法律をお伝えしている「アフィリエイトと法律」企画第3弾!

初回は写真やイラストなどの著作者を守るための「著作権」について、 前回は医薬品や化粧品などの品質や有効性・安全性を確保するための「薬機法」についてお届けしてきました。

今回は広告掲載をするときに必ず気を付けたい「景品表示法」についてです。

景品表示法は、アフィリエイトなど様々な広告を含めた商品やサービスの品質、内容、価格などを偽って表示を行うこと(不当表示)を規制しているため、アクセストレードパートナーのみなさんを含めたアフィリエイターには切っても切り離せない法律です。

また景品表示法に関係する関係省庁の動きとして、消費者庁は2021年3月に消費者に対して「虚偽・誇大なアフィリエイト広告に関する注意喚起」を行っています。

さらに、アフィリエイト広告等についての実態調査と、「アフィリエイト広告等に関する検討会」を実施し、「景品表示法の適用等に関する考え方」「不当表示の未然防止等のための取組」について、2021年中を目処に一定の結論を出す、としています。

アフィリエイト広告等に関する検討会(消費者庁ウェブサイト)

このように広告の適正化に向けて関係省庁が動いている中で、アフィリエイターのみなさんにもアフィリエイトの広告表示が今後どのような動きになっていくのかをぜひ注目していただきたいところです。ということで、まずは現段階での景品表示法を理解していきましょう!

景品表示法(けいひんひょうじほう)とは

景品表示法は、「不当景品類及び不当表示防止法」を略したもので、一般消費者に誤認される不当表示や過大な景品類の提供について規制しています。

商品・サービスの品質や価格を実際よりも良く見せたり、事実と異なる内容で宣伝すると、消費者は安心して良い商品やサービスを選ぶことはできません。また、豪華な景品に惑わされて質の良くない商品・サービスや割高なものを買わされると、消費者にとって不利益になってしまいます。

このような不当な表示や過大な景品類の提供を規制して、消費者が適正に商品・サービスを選べるよう、消費者の利益を保護するための法律が景品表示法です。

今回は、アフィリエイターのみなさんに関わりのある「不当表示」についてお話をしていきます。

景品表示法の対象となる「表示」の範囲は幅広く、チラシや商品のラベルから新聞やインターネット広告などが対象です。

だれが景品表示法の規制対象になるの?

景品表示法の規制対象となるのは、商品やサービスを提供する事業者、つまり「広告主」です。

「あれ?アフィリエイターは??」と思いますよね。

実は、広告媒体を発行する事業者(新聞社、広告代理店、アフィリエイターなど)は原則として規制対象には入っていないんです。

ですが、「じゃあ、なんでも書き放題じゃん!景品表示法を勉強しても、アフィリエイターには直接関係ないのでは?」と思うのはまだ早いですよ。

冒頭でもお伝えしたとおり、消費者庁ではアフィリエイト広告の実態調査をはじめています。

消費者庁は消費者に向けてアフィリエイト広告に関する注意喚起を行っています。 注意喚起を行うことで、アフィリエイターが自分の利益のためだけに虚偽広告や誇大広告を作成し、消費者が不利益を被るということをなくそうとしているんです。

※出典:消費者庁HP「その話、本当?アフィリエイト広告ってなに?」参照
(https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/assets/CMS219_210528_02.pdf)

アフィリエイターに対する景品表示法違反の罰則は原則適用されません(ただし、景品表示法とは異なり、「健康増進法」や「薬機法」は、罰則の対象を「何人も」と規定しており、罰則適用の可能性はありますのでご注意ください)。しかし、広告主が意図しない内容や、LPやバナーに記載されている内容とは異なる、または著しく効果があると表現をすると、結果的に「成果却下」や「提携解除」になる可能性があるので注意しましょう。

アフィリエイターによる虚偽や誇大表現があまりにも多いと、場合によっては広告主がアフィリエイト広告をやめてしまう可能性も考えられます。

アフィリエイター・広告主がともに健全なアフィリエイトを続けられるよう、サイトやブログの記事には誤認を与えないよう正しい情報を掲載するようにしましょう。

景品表示法違反をするとどうなるの?

行政処分(措置命令と課徴金納付命令)

景品表示法に違反した場合、消費者庁や都道府県から「消費者に対しての誤解を解いて、今後も不当表示をしないでね」という措置命令が出されます。

また、2016年から違反行為の抑止を目的とした「課徴金」制度もスタート。課徴金納付命令は、措置命令とセットで受けることになっています。課徴金の額は、不当表示によって得た売り上げの3%です。不当な表示を一つでもなくし、消費者を守るために様々な対策がとられているんですね。

不当表示を行ったことに対して直ちに刑罰が科されることはありませんが、違反行為を続けてしまうと、2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます(景品表示法 36条)。法人の場合は3億円以下の罰金刑(景品表示法 38条)と法人の代表者には300万円以下の罰金が科されることがあります(景品表示法 39条)。

現在はアフィリエイターがこのような行政処分や罰則の対象となることはありませんが、先ほども伝えた通りアフィリエイターが景品表示法に違反するような記事を作成した場合、広告主が措置命令および課徴金納付命令を受けるおそれがあります。その結果、アフィリエイトプログラムの出稿が止まることもあり得ますので、気を付けましょう。

アクセストレード登録抹消の可能性も?!

アクセストレードでは法令を遵守したサイト・ブログ運営をパートナーのみなさんにお願いしています。場合によっては次の規約を根拠としてアクセストレードの登録を抹消することもありますので、改めてご確認くださいね。

アクセストレード パートナー利用規約
第14条3項 抜粋

薬機法に抵触する表示および表現

  1. パートナーは、品質や価格などが、ビジターを含めた消費者にとって商品・サービスを選ぶ重要な基準となることを認識し、その表示は正しく、分かりやすく行うものとします。
  2. 特に優良誤認表示(商品・サービスの品質、規格、その他の内容についての不当表示)、有利誤認表示(商品・サービスの価格、その他の取引条件についての不当表示)、そのほか、一般消費者に誤認されるおそれがあるとして内閣総理大臣が指定する不当表示に留意するものとします。
  3. 景品表示法に違反する不当表示については、パートナーに故意・過失がなかったとしても、景品表示法に基づく措置命令が行われることがあることをあらかじめ認識するものとします。

アクセストレード パートナー禁止事項
1.アクセストレード パートナー禁止行為 抜粋

景品表示法(景表法)に抵触する表示

  1. 商品やサービスについて、実際の内容より良いものと優良誤認させたり、実際の販売価格より安い価格を表示する有利誤認等の表示を行うこと。
  2. 商品やサービスの取引に付随して、過大な景品の提供を行うこと。

実際に景品表示法での「不当表示」ってどういう表現のことを指すの?と思いますよね。
ここからは具体的にどういう表現をすると違反になるのか、一緒に見ていきましょう!

はじめに、景品表示法の不当表示の種類について簡単におさえておきましょう。
不当表示は主に3種類に分類されます。

今回はこの中でもアフィリエイトと特に関連する「優良誤認表示」と「有利誤認表示」について紹介します。「優良」と「有利」で似たような言葉ですがそれぞれ内容をしっかり理解しましょう!

優良誤認表示ってなに?

「優良誤認表示」とは、商品・サービスの品質を、実際よりも優れていると偽って宣伝したり、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に優れているわけではないのに、あたかも優れているかのように偽って宣伝する表示のことです。また、合理的な根拠がない効果・効能の表示をするのも優良誤認表示となります。

景品表示法第5条第1号にはこのように記されています。

商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

つまり、事実ではないのに偽ってその商品やサービスを良いもののように見せて消費者をだましてはダメ、ということですね。品質やサービスの品質をアピールするにはそれ相応の根拠が必要です。

また、故意に優良誤認表示をしていない、という場合でも景品表示法違反になってしまう可能性もあります。パートナーのみなさんは普段から「この商品ページの情報は本当に正しいのか?」「この情報の根拠はどこに記載されているのか?」という視点を持っておくといいですね!

優良誤認表示の例

  • 「天然真珠のネックレス」として販売されていたが、実際には養殖真珠を使っていた。
  • 「オーガニック製品」と表示していたが、実際にはオーガニック素材を使っていなかった。
  • サプリメントの広告にて「食事制限・運動なし、これを飲むだけで痩せられる」という表示をしていたが、実施には裏付けとなる根拠がなかった。
  • ダイエットドリンクの広告にて「いつもの飲み物をこれに変えるだけで有効成分がダイエットを応援!」という表示をしていたが、実際に含まれている成分に瘦身作用があるという根拠がなかった。
  • 小顔施術であたかも「効果が持続性のあるもの」だと表示していたが、実際には裏付ける資料がなかった。

こうした表示は景品表示法だけではなく「薬機法」など別の法律にも違反している可能性があります。合理的な根拠があり景品表示法に違反していないという場合でも、薬機法や健康増進法に触れてしまうこともありますので注意しましょう。それぞれの法律の内容を理解して記事を作成することが大事ですね。

また、こうした表現以外にもダイエット関連商品などに多い「体験談」や「モニター」の声なども捏造されたものであった場合は優良誤認表示となります。

有利誤認表示ってなに?

「有利誤認表示とは」商品・サービスの取引条件について、実際よりも有利であると偽って宣伝したり、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に安いわけでもないのに、あたかも著しく安いかのように偽って宣伝する行為で実際よりも安くてお得だと消費者に思い込ませる表示のことです。

景品表示法第5条第2号にはこのように記されています。

商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

みなさんも、「今だけ!お得!○○円」という表示を見て商品を購入したことはありませんか?私は「この期間を逃してしまうと損をするかもしれない」と焦って購入…という経験があります(笑)

その情報が本当だったら問題ないのですが、もしその価格でその後もずっと販売し続けているとしたら、消費者は騙された!と感じてしまいますよね。こうした表示を景品表示法では有利誤認表示とし、規制の対象としています。

有利誤認表示の例

  • 「今月限定で○○円!」と表示していたにも関わらず、その期間を過ぎても同じ価格で販売していた。
  • 「販売価格3,000円」と表示していたが、実際には別商品も同時に購入しなければ、表示されていた価格で購入できなかった。
  • 「メーカー小売希望価格8,000円のところ4,000円で販売」と表示していたにも関わらず、実際のメーカー小売価格は5,000円だった。
  • 「地域最安値!」と表示していたが、実際にその地域の多店舗価格情報を調べていなかった。
  • 実際には追加料金が発生するが「○○円」と表記し、このサイトからの購入が最も安いという表示をしていた。
  • LP内で「この商品はあと残り3個!」などと表示しながら、その表示は事実ではなかった。

ここで紹介したのはあくまで一例ですが、有利誤認表示の内容を知っておくことで、自分のサイトやブログの記事を作成するとき、読者に誤解を与える表現を避けることができます。また、自分が商品を購入する際にも役立つのでぜひ覚えておきましょう!

打消し表示はOK?

「月額料金○○円!」「目覚めスッキリ!」などという表示の近くに小さく「※効果には個人差があります。」「※一部例外があります」という表示を見たことはありませんか?これを打消し表示といいます。

よく見る表示ではありますが、打消し表示をすれば何を書いてもOKということにはなりません。「※」で情報を補足していてもルールに則って表示しなければ景品表示法違反となってしまうことがあります。

打消し表示のルールは、広告の媒体(紙・動画・Web広告)によって若干異なりますが、理解するにあたってのポイントは「消費者にとってわかりやすい表現なのか」ということ。

まずは、ざっくりと打消し表現のルールについておさえておきましょう。

全ての媒体に共通する打消し表現のルール

  • 消費者が見やすいような文字の大きさにする
  • 文字の大きさだけではなくバランスも重要
  • 打消し表示が強調したい表現より離れ過ぎないようにする
  • 打消し表示が背景色と同系色で見にくいのはNG

また、パートナーのみなさんに関係するものとしてWeb広告における打消し表現のルールも覚えておきましょう。

Web広告での打消し表現は、強調したい表現から1スクロール以上離れていないことが重要です。

※出典:打消し表示に関する表示方法及び表示内容に関する留意点 調査報告書のまとめ
(https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_180607_0004.pdf)

1スクロール以上離れたところに表示してしまうと、消費者が気付かないまたはどの表示を打消しているのかわからないということが起きてしまい、正しく情報を認識できません。

打消し表示をしていれば何を書いてもOKというわけではなく、これまでに紹介した「優良誤認表示」と「有利誤認表示」をクリアしたうえで、必要な情報を「※」を用いて消費者に分かりやすく説明する必要があります。

今回は景品表示法について紹介しました。

景品表示法は広告を掲載しているアフィリエイターにとっては必ず覚えておきたい法律です。アフィリエイターは消費者に正しい情報を届けるという大切な役目を担っています。大切なのは、消費者にとって正確でわかりやすい表現や記事になっているかどうか。

単に、アフィリエイト報酬を得るためだけに事実とは違う情報を記載したり、誇大表現にならないよう意識してアフィリエイトに取り組んでいきましょう。

今一度、あなたのサイトやブログにあるバナーへの誘導文言などを見直して、読者にとってわかりやすい表現になっているか、確認してみましょう。

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紺野リサ

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紺野リサ

パートナーのみなさんに快適にアフィリエイト活動してもらえるよう、おすすめジャンルやSNS活用方法、法律にいたるまであらゆることを勉強して発信中!「役立つ情報をわかりやすく!」が使命(/・ω・)/

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  • 本記事の内容は、2021/08/26更新時点の情報です。更新日より期間が経過している場合など、状況により現在の情報とは異なる可能性があります。
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